素集庵 - hut on a phase transition

散逸構造、形態形成、創発といった用語に触発された思考のメモ書き。趣味から政治の雑感も。

書道の入門知識を手っ取り早く、最短で身に付ける方法

書くため、ではなく、知識としての書道入門、初級座学。手っ取り早く書道のウンチクを身に着ける方法。

下に紹介する、1)を読んで、2)を視聴するだけ。同時進行が望ましい(笑)

 

1) マンガ「とめはねっ!鈴里高校書道部」(河合克敏著)全14巻を読む。

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2007年から2015年まで雑誌連載、その間の2010年にはNHKドラマにもなった書道マンガ。

紙版は既に絶版らしい、もう売ってない。値段は、紙版は巻毎に違っていたが、電子版はAmazon楽天ブックスともに各巻とも統一価格の605円 (2022/1/30現在)。

2010年のNHKのドラマ版は、DVDも出たが、現在は入手困難。見たかった。

 

2) NHK高校講座「書道I」全20回を視聴。(20分*20回=計6時間40分, ネットでも視聴可能)

2015年版が2021年度も放送されているが、他に7年も継続している科目はないから、2022年度には内容が一新される可能性大。つまり、この話はすぐ古新聞になるかもしれない。

[2022/2/13更新追記] (2022年度も放送継続される事が公表された。)

 

この2015年版は、司会進行役の「皆藤愛子」目当ての視聴者もいたことだろう。入り口は何でもよいのだ。毎回、彼女が「いきまーす」と言って書をしたためる場面がある。

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全20回のうち、クライマックスは第15回「書いてこそ美しい和歌~「高野切」~」だった(と思っている)。

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高野切の臨書をすべく、

高野切とは何か、から、連綿、変体かな、濃淡の解説、専門家講師による臨書実演を見せた後、

突然、

 

「いらっしゃいませ! ご主人様、お嬢様!」

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番組では毎回、様々な活動を行っている団体が書に挑戦する。「アルゴリズム体操」(**のみなさんと一緒~)的な構成がNHKっぽいな、と思って回を進めていたら、

出た。

メイドカフェの従業員。

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「行ってらっしゃいませ! ご主人様、お嬢様!」 番組の中で本当にそう言っている。

めっちゃ笑った。書は自由~。

 

実は、マンガ「とめはねっ!」と「書道Ⅰ」は、内容がかなり被っている。同時に見ていくと、知識の相互補完ができて(あっちに書いてあった、こっちで見た、等々)記憶がより鮮明に重層的になる。これだけで入門は完了。相当な知識が楽しく身に付く。

(言いたい事の本旨ではないが、「とめはねっ!」にも登場人物がメイドのコスプレをする場面がある。)

 

NHK高校講座は、昔と違って、現在はどの科目も専用の教科書はなく、世の中の高等学校で使われている教科書を学習教材としている。しているが、教科書を参照させるようなことはなく、持っていなくてもさして困らないが、「書道Ⅰ」の教科書は、これ以上ないくらいお得な入門書である。

NHK高校講座「書道Ⅰ」では、東京書籍の「書道Ⅰ」がそれ。↓は、平成28年(2016)度~(令和3年(2021年)度版の表紙。

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お値段、たったの 498円、しかも非課税。さすが教科書。

↓は4月まで買えないけれど、令和4年(2022年)度の改訂版。値上げ!それでも 528円!!

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小中高の教科書は、一般の書店では取り扱いがないけれど、全国各地ある教科書販売店で買える。購入者に条件がある(本人とか親とか学校とか)店舗もたまにあるらしいが、たいていは誰でも買える。販売店の中には、ネット通販もやっているところもある。

Amazonでも買えるが、値段は独自設定・変動していて、バカ高い事があるので要注意。

 

この教科書の内容がまた凄い。

主だった用語、固有名詞の解説は当たり前、写真もふんだんに掲載されている上に、なんと、

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書聖王羲之の「蘭亭序」(故宮博物院蔵の「神龍半印本」)の原寸の折込まで付いている。

ヒャッハー!である。

(これ、折手本の形態にならないものか、、、もう1冊買ってバラすか・・・ブツブツ)

 

書道知識のための入門書としては、これ以上コスパの良い本を知らない。

 

オマケに、「とめはねっ!」の著者「河合克敏」のイラストまで入っている。鈴里高校書道部のメンバーが描かれていて、嬉しくなった。

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他にカットが2つあったが、いずれもなぜか、三輪ちゃんだけが描かれていなくて、惜しい。

 

なお、高等学校の書道Ⅰの教科書は、上述の東京書籍の他、

教育図書から2種、教育出版、光村からも発行されている。そちらの内容は見たことがないけれど、大きな差はないハズ。学習指導要領に沿った文部科学省検定済教科書、なので。

 

知識があっても書が上手くなるわけではないが、知識がなければそもそも書けない、書いたことにならない、と思っている。

できるだけ速く、楽しく学べるに越した事はない。