日本語と英語の違い:『GONZO』と『VIXEN』
日本で『GONZO』と言えば、有名なアニメーション制作会社の事である。
GONZO | Animation Studio Japan
日本最初のフルCGアニメとして名高い『青の6号』(1998年のOVA)は今見ても新しい。全編に響き渡る『ザ・スリル (THE THRILL) 』 の手になる音楽も格好いい。ぞくぞくする。1967年の原作は、潜水艦の表現を規定した最初の作品で、後の『沈黙の艦隊』への影響が色濃く見て取れるし、アニメの方は、『蒼き鋼のアルペジオ』とそのシリーズ作品にも引き継がれていると言ってよい。(アルペジオの制作会社『サンジゲン』は『GONZO』から独立した会社)。
GONZO制作の『LAST EXILE(ラストエグザイル)』(2003年)もまた名作。
これが英語になると、状況が変わる。特に米国で、『GONZO』と言えば、例えば
意訳すると、ポルノ映画(日本でいうAV)の一ジャンルで、特にストーリー性のない、最初から最後までセックスしているだけの作品を指す用語である。欧米のAV販売サイトで、作品のタグに付いている。
ポルノが70年代に欧米で大々的に解禁された当初から、映画のあり方から派生したせいなのか、ストーリー重視の作品が多かった。90年代に入って、ストーリー性に対抗する考え方が生まれた。
いわゆる「ヌキどころだけ」の作品ということなのだが、実際には、全くストーリー性のない、あるいはシチュエーション度外視の作品はそうあるものではなく、制作ないし販売の都合で割り振られている事が多い。
同様の事例がある。
日本で『VIXEN』と言えば、業界大手の光学機器メーカー、特に天体望遠鏡で有名な会社である。
個人向けから業務用(研究者、研究機関向け)まで、性能の良い製品を世に送り出している。
これもまた、英語になると全く意味が変わる。特に米国で、『VIXEN』と言えば、その名のガールズバンドを指すこともあるが、
ポルノ映画(日本でいうAV)の制作、販売を行う会社の事である。
VIXEN: Welcome To A New Era Of Erotica
GONZOと分類される作品も多く手掛ける。その名を印字したマグカップやウェア等のグッズ販売もしている。
それぞれ、どうしてその名・用語であるのか、どちらが早く使い始めたのか等、調べてはいない。
こんな事例は、たぶん他にもあるのだろう。