素集庵 - hut on a phase transition

散逸構造、形態形成、創発といった用語に触発された思考のメモ書き。趣味から政治の雑感も。

お気に入りの判決文:エレキギターとスキャンティ

読んでて笑える、楽しい判決文というのが、確かに存在する。

二件、紹介しよう。下記の各リンク先から全文のPDFを参照できる。(採用された証拠は別途手に入れる必要があり、それには苦労するかもしれないが、笑う分には無くても十分。)

 

【日本のエレキギター

平成10年 (ネ) 2942号 不正競争行為差止請求控訴事件|不正競争判例データベース (hanrei.jp)

米国のギターメーカー「ギブソン」が日本のメーカー「(株)フェルナンデス」によるコピー商品の製造販売等を差し止めるよう訴えた事件、その東京高裁判決。

判決はギブソンの負け。上告せずこのまま確定したらしいが、その辺りはこの際どうでもよい。

エレクトリックギターの歴史、日本のポピュラー音楽史がつぶさに語られ、判決を導くのに必要かと思うくらい、裁判官は楽しんで書いているな、としか思えない記述である。

勉強にもなるし、裁判所を含めた当事者には悪いが、とにかく笑った。

 

もう一つ。

【スキャンティ

裁判例結果詳細 | 知的財産高等裁判所 - Intellectual Property High Courts

平成19年(行ケ)第10217号審決取消請求事件

「スキャンティー」という特殊な字体による登録商標の取り消しに関する知財高裁の判決。

原告名は伏せられている(きちんと調べればすぐ分かるだろう)。

自分の登録商標が取り消された事を不服とする原告が、特許庁に取消の審判請求した被告を相手取って裁判に持ち込んだもの。判決は原告の敗訴だが、これも、その辺りはどうでもよい。

女性用下着をめぐる風俗史である。

これも本当に勉強になった(笑)

 

 

こんな例は他もあるのだろう。探してみるのも一興。