素集庵 - hut on a phase transition

散逸構造、形態形成、創発といった用語に触発された思考のメモ書き。趣味から政治の雑感も。

医療従事者は今こそ働くべき

結論は、

医療に強力な国家統制を導入するべき、という話。

 

関係者にありがとうとか、専門家を持ち上げるような風潮には違和感を覚える。

山本五十六の言を待たずとも、人を動かすなら褒めて使うべき、なのだろうが、

国家権力に守られて高給保証されている医療従事者は、今くらい文字通り死ぬ気で働いたらどうなのか、と思っている。

 

世界一の病床数で、感染者数は桁違いに少ないのに医療崩壊、この事への批判は全く正当なものに思える。

 

医者の仕事は、古くは卑賎の職業だった。

日本の場合、明治期に、近代医学と医薬産業その他諸々がセットで入って来たことで、医者の社会的立場が変わった。すなわち国家権力で守られるようになった。

医師免許とか看護士 資格とか、診療報酬・薬価制度その他諸々が、医療従事者に他の産業にはない異様な守られ方をしている。護送船団と呼ばれたかつての銀行、農業補助金以上だ。

 

江戸期にも典医とか藩医とか、権力機構に仕える医者として制度はあったわけだが、医療従事者という括りではなく、いわば一部の特権階級だ。

現代では、往時とは比較にもならない、制度的に保障された職能である。

 

医者の社会的地位向上には反対していない。むしろ専門技能職はもっと評価されて、活躍するべきだ、一般論として。

 

しかるに、

医療体制が全体として機能していないし、専門違いや病院経営を理由に多数の医療従事者が働いていないのであるから、国家の指揮命令によって、国内の医療リソースを機動的に再配置できるようにするべきだ。

それくらいを受け入れるためのリターンは、既に社会的に与えられている。

注射をうつくらい、技術的には誰だって(薬品依存の中毒患者でさえ)できる事だ。制度的には医師免許持ってれば、内科医でなくてもできるだろう。

 

自衛隊の予備役のような制度を、医療にも導入したらよい。

この先、10年ごとかどうかは知らないが、医療リソースの再配置を要する事態が繰り返し起こる事は容易に予想される。

病だけではなく、テロや戦争の可能性を見据えるべきだ。

 

医者は今こそ働くべきだ。国はもっと権力を持ち、そして使うべきだ。